「介護 年収」や「介護職 給料」で検索した皆さんへ。
この記事では、介護職の給与の現状から年収アップの具体的な方法まで、初心者の方でも分かりやすく解説します。
平均年収や手取り額、年収500万円を目指すための秘訣など、気になる情報を徹底網羅!
介護職の年収の現状とは?

介護職の平均年収と手取り額
介護職の平均年収は約400万円ですが、手取り額は社会保険料や税金を控除すると実際には額面の7~8割に留まります。
介護職は、基本給に加えて夜勤手当や資格手当、処遇改善加算による補助金が給与に含まれる構成が一般的です。しかし、税金や保険料の控除により手取り額が減少します。
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職の平均年収は399万円(常勤職員)。
手取り額は約280~320万円程度と見積もられています。
例えば、月収33万円の場合、控除額(税金+社会保険料)は月約7~9万円。手取りは月24~26万円程度となります。
手取り額を増やすためには、給与全体の構成を理解し、手当の増額や控除の少ない働き方を模索することが重要です。
引用元:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 99表 介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者),サービス種類別,勤続年数別(介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所)P.139
都道府県別の介護職の年収ランキング
介護職の年収は地域ごとに大きく異なり、都市部の方が給与水準が高い傾向があります。
都市部は物価が高く、需要も多いため、施設が高い給与を提示して人材を確保しようとする動きがあります。一方、地方では生活費が低い代わりに給与も低めに設定されることが多いです。
- 高年収ベスト3都道府県
- 東京都:約506万円
- 大阪府:約478万円
- 滋賀県:約471万円
- 低年収ワースト3都道府県
- 山形県:約344万円
- 宮崎県:約352万円
- 沖縄県:約361万円
参考資料:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別
住む地域や勤務地を選ぶ際には、生活費も含めたトータルの収支を考慮することが重要です。
施設形態別の年収比較
入所型施設は夜勤の回数が多いため、通所型施設よりも平均年収が高い傾向があります。
入所型施設(特養、老健など)は、24時間体制でのケアが必要なため夜勤手当が多く支給されます。一方、通所型施設(デイサービスなど)は日中勤務が中心で、手当が少ない分年収も低めです。
- 入所型施設(特養、老健など):平均年収約420万円
- 通所型施設(デイサービスなど):平均年収約370万円
- 夜勤1回の手当:5000~8000円(施設による)
夜勤をこなす体力やライフスタイルと相談し、適した施設を選ぶことが大切です。
資格による年収の違い
資格を取得することで、基本給や手当が増加し、年収アップに繋がります。
介護福祉士やケアマネージャーなどの資格は、業務範囲が広がるため需要が高く、給与アップに直結します。また、資格手当や特定処遇改善加算も加味されることが多いです。
- 介護職員初任者研修:年収約350万円
- 介護福祉士:年収約400万円
- ケアマネージャー:年収約450万円以上
- 資格手当:月5000円~2万円程度
Aさん(介護福祉士、夜勤月4回)は月収30万円(年収450万円)に達しました。初任者研修のみの時より年収が50万円以上増加しています。
資格取得は介護職におけるキャリアアップの要。学習時間を確保し、取得を目指しましょう。
なぜ介護職の給料は低いと言われるのか?

介護報酬の上限が原因
介護職の給与の低さは、施設の収入源である介護報酬に上限が設けられていることが主な原因です。
介護施設の運営資金は、介護保険制度から支払われる「介護報酬」に大きく依存しています。しかし、介護報酬には上限があり、その配分が人件費に回りにくい仕組みになっています。特に、運営費や施設維持費が優先されるため、職員給与の改善には限界があります。
2024年度の介護報酬改定率は、1.59%の引き上げとなりました。 引き上げられた1.59%の内訳は、介護職員の処遇改善分が0.98%、その他の改定率が0.61%となっています。
厚生労働省のデータによると、介護職員の平均月収は約33万円で、他業種と比較して約20%低いです。
介護報酬の仕組みを改善し、給与の増額に直接つながる仕組みを構築することが重要です。
専門性の低い仕事だと誤解されている
介護職の給与が低い背景には、「専門性の低い仕事」という誤解が根深く存在します。
介護職は、身体介護や生活支援に加え、認知症ケア、リハビリテーション、心理的サポートなど多岐にわたるスキルが必要です。しかし、一般的には「誰にでもできる仕事」との認識が広まっており、専門職としての評価が低いことが給与水準に影響を与えています。
厚生労働省「認知症施策推進総合戦略」では、介護職の専門性向上が課題として挙げられています。
認知症ケアに特化したスキルを持つ介護福祉士が、日々のケアを通じて利用者の認知機能を維持・向上させている事例が増えていますが、給与への反映は十分とはいえません。
専門職としての評価を高めるために、スキルの可視化や資格取得を推進することが必要です。
非正規雇用の多さ
非正規雇用が多いことが、介護職全体の給与を引き下げる要因となっています。
介護職は、正規雇用に比べて非正規雇用の割合が高い業界です。非正規職員は基本給が低いだけでなく、昇給やボーナスが支給されない場合が多く、全体の給与水準を押し下げています。
介護労働安定センターの「介護労働実態調査」によると、介護職の約40%が非正規雇用で、正社員と比較して平均年収は約100万円低いです。
非正規職員の時給は1,000~1,200円が一般的で、月収換算すると約16万円~20万円です。
パート職員Aさん(時給1,200円、週4日勤務)は月収約19万円。正社員Bさん(基本給23万円+手当5万円)と比べ、月収に6万円以上の差があります。
正規雇用の促進と非正規職員の待遇改善が、業界全体の給与水準を引き上げるカギとなります。
勤続年数の短さ
介護職は離職率が高く、勤続年数が短いため、給与が上がる前に退職してしまうケースが多いです。
離職の背景には、職場環境の厳しさやメンタルヘルスの問題、キャリアパスの不透明さがあります。勤続年数が短いと、昇給の機会を逃すだけでなく、スキルアップも難しくなります。
厚生労働省の調査によると、介護職の平均勤続年数は約7.9年で、他業種の平均(約12年)より短いです。
離職率は13.6%と以前に比べ低下傾向にありますが、特に若年層が多く退職しています。
30代のCさん(介護福祉士)は、勤続5年で年収380万円。しかし、同じ施設に10年勤続したDさんは、年収450万円まで昇給しています。
長期的に働ける職場を見つけることが、収入とスキルの両面での向上に繋がります。

介護職が年収500万円を達成する方法

資格を取得してキャリアアップする
資格取得は、介護職の年収をアップさせる最短ルートです。特に「介護福祉士」や「ケアマネージャー」の資格は、給与に直結します。
資格を取得することで、業務範囲が拡大し、専門性が評価されるため、基本給や手当が増加します。特に「介護福祉士」の資格を持つと、施設内での役割が拡大し、給与に反映されやすくなります。
- 介護職員初任者研修:年収約350万円
- 介護福祉士:年収約400万円
- ケアマネージャー:年収約450万円以上
- 資格手当:月5000円~2万円(施設により異なる)
介護福祉士の資格を取得したAさんは、資格取得前より年収が50万円増加しました。さらに、ケアマネージャーの資格取得後には役職に就き、年収が500万円を超えました。
資格取得は、長期的なキャリア形成において最も効果的な手段です。資格取得を目指し、学習時間を確保しましょう。

夜勤手当を増やす
夜勤手当を増やすことで、短期間で大幅な収入アップが見込めます。
夜勤は、通常業務とは異なり、利用者の緊急対応や見守りが求められるため、夜勤手当が支給されます。夜勤回数を増やすことで、年間収入が数十万円単位で上がります。
- 夜勤1回の手当:5000円~8000円(施設による)
- 月5回夜勤に入ると、年間約48万円の増収が可能です。
Bさんは、月2回だった夜勤を5回に増やし、年間約29万円の収入アップを実現しました。
夜勤は負担が大きいですが、給与アップの大きな要因です。ライフスタイルに合わせて計画的に夜勤を取り入れることが効果的です。
管理職を目指す
管理職になることで、年収600万円以上の収入を得ることが可能です。
施設長やサービス提供責任者などの管理職は、役職手当が支給され、基本給も大幅に増加します。また、経験やスキルが給与に反映されやすい職種です。
介護施設長の平均年収:600~700万円
Cさんは、10年の介護経験を活かして管理職に昇進。年収は一般職時代の約2倍に増加しました。
管理職を目指すには、経験を積むことが必須です。資格取得と業務の質を高め、昇進のチャンスを掴みましょう。
年齢・性別・勤続年数による年収の違い

年齢別の平均年収
年齢が上がるにつれて、平均年収も増加します。経験とスキルが給与に反映されるからです。
若年層は基本給が低めですが、勤続年数が増えることで昇給が見込まれます。特に30代後半以降は、役職や夜勤手当が追加されるため、年収が大幅に上がる傾向があります。
- 20代:平均年収約350万円
- 30代:平均年収約400万円
- 40代以降:平均年収約450万円
年齢を重ねるほど給与アップの機会が増えるため、長期的なキャリア形成を意識することが重要です。
性別による給与差
男性と女性で介護職の平均年収には差がありますが、その差は年齢や役職によって変動します。
男性の方が夜勤を多く担当するケースや、管理職に就く割合が高いことが給与差の主な要因です。ただし、女性でも資格取得や昇進を目指すことで、この差を埋めることが可能です。
厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、介護職の平均年収は男性が約391万円、女性が約348万円です。
女性は常勤以外の雇用形態(パート・アルバイト)が多いことも、給与差の一因となっています。
性別による給与差を意識しつつ、女性もキャリアアップの機会を最大限に活かすことで収入向上が期待できます。
引用元:コメディカルドットコム 豆知識 介護職の年収は?年齢・地域別の平均年収と年収の上げ方をご紹介
勤続年数と給与の関係
勤続年数が長いほど給与が上昇する傾向があります。安定した職場で長期的に働くことが重要です。
勤続年数が増えると、基本給の昇給だけでなく、役職手当や勤続年数手当が付加されることが一般的です。また、経験値の高い人材として評価され、昇進のチャンスも広がります。
引用元:ソラジョブ介護 コラム 【2024年最新】介護職の給料はどれくらい?平均年収や資格・施設ごとに変わる給料について解説!
Dさんは勤続3年で年収360万円でしたが、11年勤務後には管理職に昇進し、年収が500万円を超えました。
長期勤務による収入増加は明確です。職場選びの際には、長期的な勤務を視野に入れることが賢明です。
今後の介護職の給料はどうなる?

政府による介護報酬改定の影響
介護報酬改定は、介護職員の給与を直接的に改善する重要な要素です。
介護報酬改定は、施設が国から受け取る収入を増加させる仕組みです。この収入の一部が職員給与に充てられるため、報酬改定は給与改善に直結します。
Evidence(具体例・データ)
- 2024年度の介護報酬改定率は、1.59%の引き上げとなりました。 引き上げられた1.59%の内訳は、介護職員の処遇改善分が0.98%、その他の改定率が0.61%となっています。
- 全国老人福祉施設協議会では、報酬改定について、物価高騰と賃上げに対応するため、プラス9%の報酬改定か、物価、経済スライドで毎年見直すシステムを考えてほしいと国会議員へ提言しています。
今後の介護報酬改定に注目し、給与改善のチャンスを活かしましょう。
特定処遇改善加算の詳細
特定処遇改善加算は、給与アップを目的とした重要な制度であり、特に経験豊富な介護職員が恩恵を受けます。
この加算は、一定の条件を満たす介護施設が職員の給与に充当するための支援金です。特に、キャリア10年以上の職員に優先的に配分される仕組みです。
- 特定処遇改善加算を活用した施設では、職員1人当たりの給与が平均1万5000円増加しています。
- 2023年度には、この加算を導入する施設が全体の70%以上に拡大しました。
特定処遇改善加算を活用している施設を選ぶことで、給与アップが見込めます。
介護福祉士が給料を上げるために取り組むべきこと

副業での収入アップ
介護職の経験を活かした副業は、収入を増やすだけでなく、スキルの幅を広げる効果もあります。
介護職は、副業として訪問介護や研修講師など、専門知識を活用できる業務が多数存在します。これにより、収入アップと自己成長を同時に実現できます。
- 副業収入の平均月額:2万~5万円。
- 副業としての訪問介護:1時間あたり1,500~2,000円の報酬。
Eさんは正職員として勤務しつつ、週末に訪問介護を副業として行い、年間約60万円の収入増加を実現しました。
副業の選択肢を検討し、無理のない範囲でスキルを活用して収入を増やしましょう。
情報交換の重要性
介護職のネットワークを広げることで、転職やスキルアップに関する有益な情報を得ることができます。
他施設の情報やキャリアパスの成功例を知ることで、自分の目標設定や選択肢を広げることが可能です。また、SNSや介護関連のコミュニティは、給与交渉や副業のヒントを得る場としても活用されています。
「情報交換がもたらすメリット」
活動 | 得られるメリット |
SNS利用 | 他施設の情報や副業のアイデア |
セミナー参加 | キャリアアップの成功例 |
情報交換を積極的に行うことで、キャリアアップや給与交渉の成功率を高めることが可能です。
年収500万円を実現した介護職員の実例

転職先で管理職を目指した事例
転職先で管理職を目指し、昇進を果たした介護職員は、年収500万円以上を達成するケースが増えています。
管理職は役職手当や基本給の大幅な増額が期待できるポジションであり、転職時に管理職候補として採用されることが重要です。
- 介護施設長の平均年収:600~700万円(厚生労働省データ)。
- 転職エージェントの調査によると、管理職採用を目指した転職活動の成功率は約30%。
Fさんは、経験8年を武器に管理職候補として転職。入職3年後に施設長となり、年収650万円を実現しました。
転職時に管理職候補として採用されることを目指し、経験やスキルをアピールすることが成功の鍵です。
経験年数が評価される施設に転職した事例
経験を活かして条件の良い施設に転職することで、年収500万円を超えることが可能です。
施設ごとに給与体系が異なるため、経験を評価してくれる施設を選ぶことで、年収が大幅に上がります。
Gさんは、10年の経験を評価する施設に転職し、年収が380万円から420万円に増加しました。
自分の経験をしっかりアピールし、給与条件の良い施設を選ぶことがポイントです。
よくある質問:介護職の給料Q&A

Q1. 月30万円以上稼ぐにはどうすれば良い?
月30万円以上稼ぐには、夜勤や資格手当、キャリアアップが必要です。
夜勤手当(月5回で約4万円)や介護福祉士の資格手当(月1万~2万円)を加えることで、月収30万円を超えることも可能です。
計画的に手当を増やすことで、月収30万円以上の達成が現実的になります。
Q2. 東京都で年収500万円は可能?
東京都で年収500万円は十分に可能です。特に管理職や資格を活かしたキャリアアップが鍵となります。
東京都は他の地域に比べて平均給与が高く、夜勤手当や資格手当が充実した施設も多いため、年収500万円に到達する条件が整いやすい地域です。また、大規模施設や訪問介護事業所では、昇給や手当の幅が広がる傾向があります。
Iさん(介護福祉士)は東京都内の特別養護老人ホームで勤務。夜勤と資格手当をフル活用し、年収520万円を達成しました。
東京都で高収入を目指すには、資格取得と夜勤を活用したキャリア戦略が重要です。
Q3. 初任給や手取りはどれくらい?
介護職の初任給は約20万円~24万円が一般的で、手取り額はその7~8割程度です。
初任給は、施設の種類や資格の有無、勤務地によって異なります。手取り額は社会保険料や税金が控除された後の金額で、これらの控除額が実際の手取り額を左右します。
Jさん(介護職員初任者研修修了)は月収22万円(基本給+手当)。控除後の手取りは約17万円で、夜勤2回で19万円まで増加しました。
初任給を増やすには、夜勤や資格手当を早期に活用することが重要です。
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