「ユニットリーダーになれば、手当はいくら増えるの?」
「仕事や責任が増える割に、給与はどのくらい上がる?」
「主任や介護リーダーとは何が違う?」
ユニットリーダーへの昇格を打診された介護職の中には、このような疑問を持つ方も多いでしょう。
ユニットリーダーは、ユニットケアを行う介護施設において、利用者の暮らしを支えながら、スタッフの調整・指導やユニット運営を担う重要な役割です。
一方で、「ユニットリーダー手当」という全国一律の金額が決められているわけではありません。施設ごとに役職の位置づけや給与体系も異なります。
この記事では、ユニットリーダー手当の考え方、給与・年収、仕事内容、主任や介護リーダーとの違い、配置基準、必要な資格、2026年度のユニットリーダー研修まで、初めて調べる方にも分かりやすく解説します。
ユニットリーダー手当はいくら?給与・年収の考え方

ユニットリーダーになると、一般の介護職員より責任のある仕事を任されることが多くなります。そのため、「手当はいくら増えるの?」「仕事が増える分、給料も上がるの?」と気になる方も多いでしょう。
ただし、ユニットリーダーの給与について、一律に「○円上がる」と考えることはできません。
ユニットリーダーの配置については介護施設の人員基準で定められていますが、「ユニットリーダー手当を月○円支給する」という全国共通の決まりはありません。
そのため、昇格を考えるときは、手当の金額だけではなく、基本給、賞与、夜勤手当、処遇改善による賃金改善などを含めて、給与全体を見ることが大切です。
ユニットリーダー手当に全国共通の金額はない
ユニットリーダー手当には、全国一律の金額はありません。
介護保険制度では、ユニット型の施設について「ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置すること」が定められています。一方、その職員に対して「ユニットリーダー手当として月○円を支給する」といった金額までは定められていません。
役職手当は、それぞれの会社や法人が給与制度の中で設定する手当です。そのため、ユニットリーダーに手当を付けるかどうか、また、いくら支給するかは、それぞれの法人や施設によって異なります。
たとえば、ある施設では「ユニットリーダー手当」として支給していても、別の施設では「役職手当」「職務手当」「リーダー手当」と呼ばれている場合があります。
また、基本給そのものを上げる給与制度であれば、ユニットリーダー専用の手当が設けられていないこともあります。
「ユニットリーダーなら普通は○万円もらえる」と考えるのではなく、自分の施設の就業規則や給与規程、雇用条件を確認することが最も確実です。
介護職の役職手当は施設によって異なる
介護職の役職手当は、施設によって金額も仕組みも異なります。
介護施設には、ユニットリーダーのほか、介護リーダー、副主任、主任、係長など、さまざまな役割や役職があります。
しかし、これらの役職名や上下関係、手当の金額について、介護保険制度で全国共通のルールが決められているわけではありません。
同じ「ユニットリーダー」という名称でも、現場のまとめ役を中心に担当する施設もあれば、職員育成、勤務調整、会議への参加など、より広い仕事を任せる施設もあります。
担当する仕事や責任が違えば、給与の設定が異なるのも当然といえるでしょう。
転職先を選ぶときやユニットリーダーへの昇格を打診されたときは、手当の金額だけではなく、「何を任される役割なのか」とセットで確認することが大切です。
手当だけでなく基本給・賞与・夜勤手当も確認する
ユニットリーダーへの昇格を考えるときは、役職手当だけで判断しないことが大切です。
介護職員の給与は、基本給だけで決まるとは限りません。施設によって、夜勤手当、資格手当、役職手当、処遇改善に関係する手当など、さまざまな項目で構成されています。
また、賞与の計算方法も法人によって異なります。
たとえば、ユニットリーダーになって月1万円の役職手当が付いたとしても、管理業務が増えて夜勤回数が減れば、夜勤手当も減ります。
この場合、「役職手当が1万円増えた=そのまま月収が1万円増えた」わけではありません。
反対に、役職手当だけでなく基本給も上がる仕組みであれば、毎月の給与だけでなく賞与などにも影響する可能性があります。
昇格するときには、次の項目を確認しておきましょう。
目の前の「役職手当○円」ではなく、1年間で実際にいくら受け取ることになるのかを見ることが大切です。
ユニットリーダーになると年収は上がる?
ユニットリーダーになることで年収が上がる可能性はありますが、「必ず○万円上がる」とはいえません。
役職手当が付いたり、基本給の等級が上がったりする施設であれば、一般職より給与が高くなる可能性があります。
一方、役職手当が少ない、夜勤回数が減る、賞与の計算方法が変わらないといった場合には、思ったほど年収が増えないこともあります。
たとえば、一般職のときに夜勤を月5回していた職員が、ユニットリーダーになって管理業務が増え、夜勤が月3回になったとします。
この場合、役職手当は増えますが、2回分の夜勤手当が減ります。そのため、役職手当の金額によっては、毎月の総支給額がそれほど変わらないことも考えられます。
なお、厚生労働省の賃金統計から「ユニットリーダーだけの全国平均年収」を切り出すことはできません。
根拠の確認できない「ユニットリーダーの平均年収は○万円」といった数字だけで判断しないようにしましょう。
ユニットリーダーになる前には、毎月の手当だけでなく、基本給・夜勤・賞与まで含めた年間収入がどう変わるのかを確認することをおすすめします。
※ 介護職の年収について詳しく知りたい方はこちら>>>https://asu-asu.blog/kaigosyoku-nennsyuu-kaisetu/
ユニットリーダーとは?役割と仕事内容

ユニットリーダーとは、簡単にいえば、一つのユニットをまとめながら、利用者一人ひとりに合った生活を支える中心的な職員です。
ただし、単に「介護職員をまとめる人」というだけではありません。
厚生労働省が示すユニットリーダー研修では、ユニットリーダーに「ユニットケアの質の管理」と「チームリーダーとしてのユニットの運営」に関する知識や技能を身につけることが求められています。
つまり、職員をまとめるだけでなく、利用者へのケアが適切に行われているかを考え、チーム全体でより良いケアを実践する役割があります。
そもそもユニットケアとは
ユニットケアとは、利用者を大きな集団として一律に介護するのではなく、少人数の生活単位に分け、一人ひとりの生活習慣や希望を大切にしながら支援する介護の考え方です。
厚生労働省では、居宅に近い環境の中で、生活する単位と介護する単位を一致させ、入居前からの生活ができるだけ続けられるよう支援する考え方が示されています。
たとえば、施設の都合で全員が午前7時に起き、午前8時に朝食を食べる生活ではなく、「自宅では7時30分ごろに起きていた」「朝食後には新聞を読んでいた」といった、その人が大切にしてきた生活をできる範囲で続けられるように考えます。
つまり、ユニットケアで大切なのは、単に「少人数に分けて介護すること」ではありません。
利用者一人ひとりが、その人らしい暮らしを続けられるよう支えることが中心にあります。
厚生労働省が紹介している過去の研究では、特別養護老人ホームを個室・ユニット型へ建て替えた事例で、入居者がベッド上で過ごす割合が67.7%から40.2%へ減り、リビングで過ごす割合が16.7%から42.8%へ増えた結果が示されています。
ただし、このデータは2000年代初頭の限られた施設の研究です。「ユニットケアを導入すれば、すべての施設で同じ結果になる」という意味ではなく、ユニットケアを理解するための参考事例として見る必要があります。
引用元:厚生労働省 2015年の高齢者介護〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜 補論2 ユニットケアについて
ユニットリーダーの役割
ユニットリーダーの大きな役割は、利用者一人ひとりに合ったケアを、職員みんなで実践できるようにユニットをまとめることです。
介護は一人の職員だけで完結する仕事ではありません。早番、日勤、遅番、夜勤など、複数の職員が交代しながら利用者を支えます。
そのため、職員によってケアの方法が大きく異なると、利用者が安心して生活することが難しくなります。
たとえば、ある利用者の「最近、食事量が減っている」という変化に気づいたとします。
ユニットリーダーは、自分が食事介助をするだけで終わらず、次のようなことを職員と一緒に考えます。
- いつから食事量が減っているのか
- 食事内容に原因はないか
- 体調に変化はないか
- 食事姿勢や食べる場所は適切か
- 看護職や管理栄養士へ相談する必要はないか
そして、必要な情報をチームで共有し、看護職、管理栄養士、ケアマネジャーなどとも相談しながらケアを見直していきます。
ユニットリーダーは「一番介護が上手な人」というより、利用者の暮らしを中心に、職員や多職種をつないでケアを進める人と考えると分かりやすいでしょう。
ユニットリーダーの主な仕事内容
ユニットリーダーの仕事内容は施設によって異なりますが、基本となるのは、利用者へのケアとユニット全体の運営をつなぐことです。
利用者のケアの調整
利用者一人ひとりの体調や生活の変化を確認し、必要に応じてケア方法を見直します。
食事、排泄、入浴、睡眠などを単なる「介助業務」として見るのではなく、「その人がどのような生活を送りたいのか」という視点から考えることが大切です。
職員間の情報共有
介護施設では職員が交代勤務をするため、情報共有は欠かせません。
利用者の体調変化、ケア方法の変更、家族からの希望などが一部の職員だけに伝わっている状態では、統一したケアができません。
申し送りや記録、会議などを通じて、必要な情報をチームで共有できるようにします。
スタッフの教育・指導
新人職員や経験の浅い職員へ、介護方法やユニットケアの考え方を伝えることも大切な役割です。
ただし、一方的に「こうしなさい」と指示するだけでは十分ではありません。
職員自身が「なぜこのケアをするのか」を理解し、自分で考えられるように支援することが、チーム全体の成長につながります。
多職種との連携
利用者の生活を介護職だけで支えることはできません。
看護職、医師、リハビリ職、管理栄養士、ケアマネジャー、相談員など、それぞれの専門職と情報を共有しながら支援方法を考えます。
ユニット会議への参加
ユニット会議では、利用者の状態やケア方法だけでなく、ユニット内の課題、職員間の連携、業務改善などについて話し合います。
ユニットリーダーには、単に会議へ参加するだけでなく、現場の意見を整理して改善につなげる役割があります。
家族との連絡・調整
施設によって担当範囲は異なりますが、利用者の生活の様子や変化について家族と情報共有することもあります。
家族は、施設入所前の利用者の生活をよく知る大切な存在です。「自宅ではどう過ごしていたのか」「何を大切にしていたのか」といった情報は、その人らしい生活を考えるうえでも役立ちます。
利用者の暮らしを中心に、職員・家族・多職種をつなぎ、ユニット全体のケアの質を高めていくことが、ユニットリーダーの重要な仕事です。
ユニットリーダーはどのくらいの役職?主任・介護リーダーとの違い

ユニットリーダーは、ユニット型の介護施設で中心的な役割を担う職員ですが、「主任より上」「副主任より下」といった全国共通の役職順位はありません。
介護保険制度では、ユニット型施設に常勤のユニットリーダーを配置することが求められています。
一方、主任、副主任、係長、課長などは、それぞれの法人が組織運営のために設けている役職であり、名称や上下関係は施設によって異なります。
ユニットリーダーは必ずしも正式な役職名ではない
ユニットリーダーは、必ずしも法人の人事制度上の「正式な役職」と一致するわけではありません。
介護保険制度では、ユニット型施設について「ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置すること」とされていますが、主任、副主任、係長などの役職をどのように設けるかまでは決められていません。
たとえば、次のような組織も考えられます。
一般介護職 → ユニットリーダー → 副主任 → 主任 → 管理者
一方、別の法人では、
一般介護職 → 副主任兼ユニットリーダー → 主任 → 管理者
という場合もあります。
一般職員がユニットリーダーを担当し、人事上の役職は付いていないケースもあります。
ユニットリーダーは「ユニットをまとめる役割」を表す言葉であり、全国共通の役職ランクを示すものではありません。
介護リーダーとユニットリーダーの違い
介護リーダーとユニットリーダーは似た言葉ですが、まったく同じ意味とは限りません。
ユニットリーダーは、ユニット型施設の人員配置基準に登場する役割です。
一方、「介護リーダー」という名称は、介護保険制度上で全国共通の役職として定義されているものではなく、多くの場合は施設が独自に設けています。
| 項目 | ユニットリーダー | 介護リーダー |
|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | ユニット型施設の配置基準に登場する | 全国共通の配置基準上の役職名ではない |
| 主な範囲 | 1つのユニット | 介護部門・フロア・チームなど施設による |
| 主な仕事内容 | ユニットケアの実践・運営 | 職員の調整・指導など施設による |
| 役職上の順位 | 全国共通の順位はない | 全国共通の順位はない |
大切なのは名称ではなく、その施設で「誰をまとめるのか」「どこまで責任を持つのか」を確認することです。
主任・副主任との違い
ユニットリーダーと主任・副主任の違いは、ユニットリーダーが主にユニット運営に関係する役割であるのに対し、主任や副主任は法人の人事制度上の役職として設けられていることが多い点です。
主任が担当する仕事としては、施設によって次のようなものがあります。
- 複数ユニットの管理
- 職員の指導・育成
- 勤務表の管理
- 事故や苦情への対応
- 管理者との調整
- 人事評価
ただし、これらも全国共通ではありません。
「ユニットリーダー=担当ユニットをまとめる役割」「主任・副主任=施設の組織運営上の役職」と考えると理解しやすいでしょう。
係長・課長との上下関係は施設によって異なる
ユニットリーダーと係長・課長の間にも、全国共通の上下関係はありません。
介護保険制度は「ユニットリーダーの上は係長、その上は課長」という組織図まで定めているわけではないからです。
そのため、求人票などに「ユニットリーダー候補」と書かれている場合には、次の点を確認するとよいでしょう。
役職名だけで判断せず、仕事内容・権限・責任・給与まで確認することが重要です。
ユニットリーダーになるには?資格・経験・配置基準

ユニットリーダーになるために、全国共通の国家資格や「介護経験○年以上」といった条件が一律に決められているわけではありません。
ただし、ユニット型施設にはユニットリーダーの配置基準があり、さらに施設には一定数のユニットリーダー研修受講者を配置する取り扱いがあります。
そのため、「資格は何も必要ない」とだけ説明するのも正確ではありません。
ユニットリーダーという国家資格はない
「ユニットリーダー」という名称の国家資格はありません。
介護福祉士や社会福祉士のように、国家試験に合格して取得する資格ではなく、ユニット型施設でユニットをまとめる職員の役割です。
ユニットリーダー研修も国家資格を取るための試験ではありません。
研修の目的は、ユニットリーダーとして必要となるユニットケアの理念、リーダーシップ、組織のマネジメントなどの知識や技能を身につけることです。
介護福祉士は必須なのか
ユニットリーダーになるために、「介護福祉士でなければならない」という全国一律の条件はありません。
ユニット型施設の配置基準でも、ユニットリーダーについて「介護福祉士資格を持つこと」という条件は示されていません。
2026年度のユニットリーダー研修についても、介護福祉士であることは全国共通の受講条件とはされていません。
ただし、施設独自の人事制度として「ユニットリーダーは介護福祉士から選ぶ」といった昇格条件を設定していることはあります。
法律上全国一律で必須ではありませんが、施設独自の昇格条件として介護福祉士が求められる可能性はあります。
※ 介護福祉士の取得について詳しく知りたい方はこちら>>>https://asu-asu.blog/kaigofukushishi-partgoukakuseido-kaisetu/
必要な実務経験は施設によって異なる
必要な実務経験についても、「全国共通で3年以上」「5年以上」といった決まりはありません。
2026年度のユニットリーダー研修募集要項でも、具体的な介護経験年数は受講要件として示されていません。
そのため、「介護経験3年あれば必ずユニットリーダーになれる」「5年以上なければなれない」といった説明は正確ではありません。
施設では、経験年数だけでなく、次のような点を総合的に見てユニットリーダーを選ぶことが考えられます。
- 介護技術
- 利用者への対応
- 職員とのコミュニケーション
- 後輩への指導力
- 問題が起きたときの判断力
- ユニットケアへの理解
経験年数だけではなく、チームで介護を行う力や、周囲から信頼される働き方を身につけることが大切です。
ユニットリーダーの配置基準
ユニット型の介護施設では、原則としてユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置する必要があります。
たとえば、ユニット型介護老人福祉施設では、日中はユニットごとに常時1人以上の介護職員または看護職員を配置するとともに、ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置することが示されています。
ここで注意したいのは、
「すべてのユニットリーダーが必ずユニットリーダー研修を修了していなければならない」という意味ではないことです。
研修修了者の配置との関係
現在の取り扱いでは、ユニット型の介護老人福祉施設などについて、ユニットリーダー研修を受講した職員を施設に2人以上配置することとされています。
ただし、2ユニット以下の施設では1人でよいとされています。
研修受講者が配置されていないユニットについては、研修未受講であっても、そのユニットに責任を持つ職員を決めることができます。
たとえば4ユニットある施設で、次のような配置も考えられます。
- Aユニット:研修受講者
- Bユニット:研修受講者
- Cユニット:研修未受講の責任者
- Dユニット:研修未受講の責任者
「ユニットリーダー=全員が研修修了者」ではありませんが、施設には一定数の研修受講者を配置し、その知識を施設全体へ広げていくことが求められています。
【2026年最新】ユニットリーダー研修とは

ユニットリーダー研修とは、ユニット型介護施設で中心的な役割を担う職員が、ユニットケアの考え方やリーダーとして必要な知識・技術を学ぶための研修です。
単に介護技術を学ぶ研修ではありません。
2026年度のカリキュラムでは、ユニットケアの理念、高齢者の生活の理解、リーダーシップ、組織やケアのマネジメント、ユニット運営などを学びます。
「修了証を取るための研修」というより、自施設のユニットケアをより良くするために、学んだことを実践につなげる研修と考えると分かりやすいでしょう。
ユニットリーダー研修の正式名称と対象者
研修の正式名称は「ユニットリーダー研修」です。
対象となるのは、ユニットケアを行う施設に勤務している、または勤務する予定の職員で、各ユニットで指導的な役割を担う人です。
そのため、すでにユニットリーダーになっている人だけが受講できるわけではありません。
今後ユニットリーダーを任される予定の職員も対象となります。
eラーニング・講義演習・実地研修の流れ
2026年度のユニットリーダー研修は、動画を見るだけで終わる研修ではありません。
事前課題 → eラーニング → 講義・演習 → 自施設での実践 → 実地研修 → 事後課題
という流れで進みます。
講義・演習の1日目はeラーニングです。
続く2日目・3日目は、集合研修またはZoomを使ったオンライン研修で、ユニットリーダーとしての役割、リーダーシップ、個別ケア、ケアのマネジメント、ユニットのマネジメントなどを学びます。
その後、「私の行動計画書」をもとに自施設で実際に改善へ取り組み、実地研修へ進みます。
「知識を学ぶ」→「自分の施設で試す」→「他施設で学ぶ」→「自施設の取り組みを見直す」という実践的な研修です。
実地研修とプレゼンテーションでは何をする?
実地研修では、ユニットケアを実践している施設を実際に見ながら、自施設との違いや改善できるポイントを学びます。
2026年度のカリキュラムでは、実地研修3日間+プレゼンテーション1日で構成されています。
実地研修では、施設見学、ユニットでの体験学習、ユニットリーダーや多職種との意見交換などを行います。
そして、自分が作成した「私の行動計画書」を振り返り、必要に応じて修正します。
4日目には、自分の行動計画についてプレゼンテーションを行います。
プレゼンテーションは発表の上手さを競うものではなく、自施設の課題を整理し、「何をどう改善するか」を具体化するための機会です。
研修費用・日程・申し込み方法
2026年度の日本ユニットケア推進センターによるユニットリーダー研修は、受講料100,000円+研修テキスト代3,000円(税込)の合計103,000円です。
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 受講料 | 100,000円 |
| テキスト代 | 3,000円(税込) |
| 講義・演習 | 3日間 |
| 1日目 | eラーニング |
| 2・3日目 | 集合研修またはオンライン |
| 実地研修 | 3日間 |
| プレゼンテーション | 1日 |
交通費・宿泊費などが別途必要になる場合があります。また、自治体などによって受講料の取り扱いが異なる場合もあります。
研修日程や募集期間は年度途中でも変更・追加される可能性があるため、申し込み時には日本ユニットケア推進センターの最新情報を確認してください。
※ 一般社団法人 日本ユニットケア推進センター ユニットリーダー研修について
修了証はいつもらえる?
ユニットリーダー研修の修了証は、講義に参加しただけでは交付されません。
すべての研修を修了し、指定された書類を提出した受講者に修了証書が交付されます。
2026年度の案内では、ユニットリーダー研修の修了証発行の目安は約2か月後です。
つまり、eラーニング、講義・演習、自施設での実践、実地研修、プレゼンテーション、事後課題の提出まで行って研修修了となります。
ユニットリーダーに求められるもの・向いている人

ユニットリーダーに求められるのは、介護技術が高いことだけではありません。
利用者の暮らしを支えるためには、職員をまとめ、多職種と協力し、ユニットの課題を見つけて改善していく力が必要です。
2026年度のユニットリーダー研修でも、「組織のマネジメント」「リーダーシップの基礎」「ケアのマネジメント」「ユニットのマネジメント」などがカリキュラムに含まれています。
できるユニットリーダーとは「何でも自分でできる人」ではなく、周りの職員と協力して、チームとしてより良いケアをつくれる人と考えると分かりやすいでしょう。
コミュニケーション力
ユニットリーダーにとって、コミュニケーション力はとても重要です。
介護は一人で行う仕事ではなく、介護職、看護職、ケアマネジャー、リハビリ職、栄養職など、さまざまな職種が協力して利用者を支えるからです。
たとえば、職員から「Aさんが最近いつもと違います」と報告を受けたとします。
そこで「分かりました」で終わらず、
- いつから変わったのか
- 食事量はどうか
- 眠れているか
- 排泄は普段と違わないか
- ほかの職員も変化に気づいているか
などを確認することで、利用者の変化をより正確に把握できます。
話が上手なことより、職員が話しやすい雰囲気をつくり、必要な情報をチームにつなげられることが大切です。
リーダーシップとマネジメント力
ユニットリーダーには、職員を引っ張るリーダーシップだけでなく、ユニット全体を整えるマネジメント力も求められます。
リーダーシップというと「みんなの先頭に立って強く指示する人」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、介護現場ではそれだけではチームはうまく動きません。
たとえば、「利用者が起きたい時間に起きられるユニットにしたい」と考えた場合、リーダー一人で対応するのではなく、
- 今の勤務体制で実現できるか
- 朝の業務を減らせないか
- 職員ごとの役割をどうするか
などをチームで考えます。
チームが同じ方向へ進めるよう目標を示し、それぞれの職員の力を生かせるよう調整することがマネジメントです。
問題解決力と冷静な判断力
ユニットリーダーには、問題が起きたときに原因を整理し、チームで解決していく力も必要です。
たとえば利用者の転倒があった場合、「本人が勝手に立ったから」で終わらせるのではなく、
- なぜ立とうとしたのか
- トイレに行きたかったのか
- 普段の生活リズムと合っていたか
- 職員の配置に問題はなかったか
- 環境に危険な場所はなかったか
などを整理します。
そのうえで必要に応じて、看護職やリハビリ職、ケアマネジャーなどと相談し、ケアの見直しにつなげます。
「何でもすぐ答えを出す」のではなく、事実を確認し、必要な人と相談しながら解決策を考える力が重要です。
利用者・職員の変化に気づく力
ユニットリーダーには、利用者だけでなく職員の小さな変化にも気づく力が必要です。
利用者の場合、
- いつも完食する人が半分しか食べていない
- 普段よく話す人が今日はあまり話さない
- 夜中に起きる回数が増えている
といった小さな変化が、体調変化に気づくきっかけになることがあります。
職員についても、普段より元気がない、ミスが増えた、他の職員と話さなくなったなどの変化に気づくことがあります。
もちろん、リーダー自身が病気や心理状態を診断するわけではありません。
大切なのは、「いつもと違う」と気づいたときに声をかけ、必要であれば上司や専門職へつなげることです。
ユニットリーダーとして大切な心得
ユニットリーダーとして最も大切なのは、「自分が一番できる人になる」ことではなく、「チームでより良いケアができる状態をつくること」です。
リーダーになると責任感から、「自分でやった方が早い」「自分が全部確認しなければ」と考えてしまうことがあります。
しかし、リーダーがすべての仕事を抱えてしまうと、他の職員が考えたり成長したりする機会が減ってしまいます。
新人職員が利用者への対応に悩んでいるときも、すぐに答えを伝えるだけではなく、
「どうしてそう思った?」
「利用者さんはどうしたかったと思う?」
と一緒に考えることも大切です。
利用者を中心に考えること、職員の意見を聞くこと、情報を共有すること、必要なときには周囲へ相談すること。
この積み重ねが、ユニットリーダーとして大切な基本姿勢です。
ユニットリーダーになるメリット・大変なこと

ユニットリーダーになると、手当やキャリアアップが期待できる一方で、仕事の幅や責任も広がります。
そのため、「役職が付くから得」と単純に考えるのではなく、給与がどの程度変わるのか、どのような仕事を任されるのかまで確認することが大切です。
手当やキャリアアップが期待できる
ユニットリーダーになることで、役職手当などが支給されたり、今後のキャリアアップにつながったりする可能性があります。
ただし、「ユニットリーダー手当を必ず月○円支給する」という全国共通の制度はありません。
ユニットリーダーとして職員育成やユニット運営を経験することは、主任や管理職など次の役職を目指す際にも役立ちます。
たとえば法人によっては、
一般介護職 → ユニットリーダー → 副主任・主任 → 管理者
というキャリアを設けている場合があります。
「手当が付くか」だけでなく、「次にどのようなキャリアへ進めるのか」まで確認しましょう。
マネジメント経験が身につく
ユニットリーダーになる大きなメリットの一つは、介護技術だけでなく、人やチームをまとめる経験ができることです。
目標を決め、役割を調整し、実践した結果を振り返る経験は、主任や管理職になったときにも役立ちます。
ユニットリーダーは、介護の専門性だけでなく、人や組織を動かす力を身につける機会にもなります。
仕事量や責任が増える
一方、ユニットリーダーになると、一般の介護職員より仕事や責任が増える可能性があります。
利用者への直接的な介護をしながら、職員への指導、会議への参加、ケアの見直し、情報共有なども担当することがあるためです。
特に、通常の介護業務をほとんど減らさないまま管理的な仕事だけが追加される場合には、負担が大きくなる可能性があります。
役職名や手当だけでなく、リーダー業務を行う時間が勤務時間内に確保されているかも確認しましょう。
職員間の調整や板挟みに苦労することもある
ユニットリーダーになると、職員と上司の間に立って調整する場面が増えることがあります。
たとえば管理者から「この業務方法を変更したい」と言われる一方、現場職員から「今の人員では難しい」という意見が出ることもあります。
このとき、「上司が決めたからやってください」と伝えるだけでも、「現場が嫌がっているからできません」と返すだけでも十分ではありません。
何が難しいのかを整理し、どこなら変更できるのかを双方と考える必要があります。
どちらか一方の味方になるのではなく、現場と管理者の両方の話を聞き、利用者にとってより良い方法を考える調整役であることが大切です。
手当と責任が見合っているか確認する
ユニットリーダーを引き受ける前には、役職手当と仕事内容・責任が見合っているかを確認しましょう。
たとえば、リーダー手当が増えても、会議や職員指導が増え、夜勤回数が減って夜勤手当も減る場合には、実際の月収がそれほど増えない可能性があります。
反対に、基本給が上がり、役職手当も付き、賞与の算定額も上がる給与制度なら、年間収入が大きく変わる可能性があります。
「月の手当はいくら?」だけではなく、「仕事と責任がどの程度増え、年間収入がどう変わるのか」で判断することが重要です。
※ ユニットリーダーの葛藤について詳しく知りたい方はこちら>>>https://asu-asu.blog/unit-leader-quit-how-to/
※ 介護職として転職を考えている方はこちら>>>https://asu-asu.blog/careworker-jobchange/
ユニットリーダーへの昇格前に確認したいポイント

ユニットリーダーへの昇格を打診されたときは、給与や仕事内容などを具体的に確認しておくことをおすすめします。
特に、給与、業務範囲、夜勤・残業、研修費用、今後のキャリアという5つの視点から確認すると、昇格後の働き方をイメージしやすくなります。
給与・手当について確認する
まず確認したいのは、ユニットリーダーになることで給与が具体的にどう変わるのかです。
「毎月いくら増えるか」だけでなく、賞与まで含めた年間収入がどう変わるかを確認しましょう。
担当する業務範囲を確認する
同じ「ユニットリーダー」でも、施設によって仕事内容は違います。
このうち、どこまで担当するのかを確認しましょう。
役職名ではなく、具体的な仕事内容を確認することが重要です。
夜勤や残業がどう変わるか確認する
夜勤回数や時間外勤務がどう変わるのかも確認しておきましょう。
役職手当が増えても、夜勤回数が減れば夜勤手当も減るため、月収が思ったほど増えないことがあります。
確認したいのは次の3点です。
研修費・交通費・宿泊費の負担を確認する
ユニットリーダー研修を受講する場合には、研修受講料だけでなく、交通費や宿泊費の負担についても確認しておきましょう。
交通費や宿泊費を誰が負担するかは勤務先や自治体によって異なり、「ユニットリーダー研修なら施設が必ず全額負担する」という全国共通の決まりはありません。
主任・管理職へのキャリアパスを確認する
ユニットリーダーになるときは、その先にどのようなキャリアがあるのかも確認しておきましょう。
施設によっては、
一般職 → ユニットリーダー → 副主任 → 主任 → 管理職
という昇格制度があります。
確認したいのは、
といった点です。
ユニットリーダーを自分のキャリアの中でどのように位置づけるのかを考えてみましょう。
まとめ|ユニットリーダー手当だけでなく仕事内容と待遇全体で判断しよう
ユニットリーダーは、利用者一人ひとりの暮らしを支えながら、職員をまとめ、より良いユニットケアを進めていく重要な役割です。
一方、ユニットリーダー手当には全国一律の金額はなく、役職としての位置づけや仕事内容も施設によって異なります。
そのため、昇格を考えるときは、次の項目を総合的に確認することが大切です。
また、厚生労働省の賃金統計からも、「ユニットリーダーだけの全国平均年収」をそのまま確認することはできません。
根拠のない「平均手当○万円」「平均年収○万円」という情報だけで判断しないことも重要です。
手当の金額だけを見るのではなく、その責任に見合う待遇があるか、そして自分が目指す介護やキャリアにつながる役割なのかを総合的に判断しましょう。


コメント